感謝知らずの男 萩尾望都 2024.03.14 不眠症に悩むダンサーのレヴィ。安らぎを求めて引っ越した先の隣人は!ナイーブな青年の内面を描いた人気傑作シリーズ。 レビューを見る 購入・お申し込みはこちら
「おまえいつも輝いていたな 舞台で 一瞬の夢やらきらめきやら・・・・・・ もう・・・・・・ ない 不思議だ」「アーチー もう一度・・・・・・」「不思議だなあ なにもない・・・・・・ そしてオレがいなくなっても あんたはひとりで輝いてる・・・・・・ オレはあんたのなんだったんだろう?」
萩尾先生の漫画を読むにはある種の覚悟がいる。 大人になってからじゃないとなかなか読めない。それくらい鋭い。 思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。 じゃないと帰ってこれない。そんな気がする。
萩尾先生の漫画は上手すぎて読んで満足しながらもいろいろ考えるけど、でもそんなことはとうにファンによって語り尽くされているはずで…とか思ってしまいますが、感想だけ。 「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。 もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。 一番好きなのは「海賊と姫君」昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。 最後に少女が言う「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」という科白がおかしい。
迫力のバレエシーンがオススメ バレエシリーズ、ポーズを見てるだけで楽しい。しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。コメディかと思ったら、シリアスな展開も。精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、名香智子さん、木原敏江さん、山岸凉子さん、森脇真末味さん、花とゆめ、LaLa、プチフラワーを踏まえてから、いわゆるオリジナルJUNE漫画系を手に取り、現在のリアルBLで舞い戻る、と言う段階を踏んでいる私ら世代は恵まれてるんじゃなかろうか。悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。人は飢えているくらいが丁度いいと思う。摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。 主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
バレエ・ダンサーの青年レヴィを中心に、何人かの登場人物たちによって構成される連作短編集です。 「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。 レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。どちらもたのしんで読むことができました。
萩尾先生の漫画は上手すぎて読んで満足しながらもいろいろ考えるけど、でもそんなことはとうにファンによって語り尽くされているはずで…とか思ってしまいますが、感想だけ。 「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。 もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。 一番好きなのは「海賊と姫君」昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。 最後に少女が言う「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」という科白がおかしい。
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、名香智子さん、木原敏江さん、山岸凉子さん、森脇真末味さん、花とゆめ、LaLa、プチフラワーを踏まえてから、いわゆるオリジナルJUNE漫画系を手に取り、現在のリアルBLで舞い戻る、と言う段階を踏んでいる私ら世代は恵まれてるんじゃなかろうか。悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。人は飢えているくらいが丁度いいと思う。摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。 主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
萩尾先生の漫画を読むにはある種の覚悟がいる。 大人になってからじゃないとなかなか読めない。それくらい鋭い。 思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。 じゃないと帰ってこれない。そんな気がする。
バレエ・ダンサーの青年レヴィを中心に、何人かの登場人物たちによって構成される連作短編集です。 「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。 レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。どちらもたのしんで読むことができました。
「おまえいつも輝いていたな 舞台で 一瞬の夢やらきらめきやら・・・・・・ もう・・・・・・ ない 不思議だ」「アーチー もう一度・・・・・・」「不思議だなあ なにもない・・・・・・ そしてオレがいなくなっても あんたはひとりで輝いてる・・・・・・ オレはあんたのなんだったんだろう?」
迫力のバレエシーンがオススメ バレエシリーズ、ポーズを見てるだけで楽しい。しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。コメディかと思ったら、シリアスな展開も。精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
バレエ・ダンサーの青年レヴィを中心に、何人かの登場人物たちによって構成される連作短編集です。 「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。 レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。どちらもたのしんで読むことができました。
萩尾先生の漫画は上手すぎて読んで満足しながらもいろいろ考えるけど、でもそんなことはとうにファンによって語り尽くされているはずで…とか思ってしまいますが、感想だけ。 「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。 もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。 一番好きなのは「海賊と姫君」昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。 最後に少女が言う「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」という科白がおかしい。
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、名香智子さん、木原敏江さん、山岸凉子さん、森脇真末味さん、花とゆめ、LaLa、プチフラワーを踏まえてから、いわゆるオリジナルJUNE漫画系を手に取り、現在のリアルBLで舞い戻る、と言う段階を踏んでいる私ら世代は恵まれてるんじゃなかろうか。悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。人は飢えているくらいが丁度いいと思う。摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。 主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
「おまえいつも輝いていたな 舞台で 一瞬の夢やらきらめきやら・・・・・・ もう・・・・・・ ない 不思議だ」「アーチー もう一度・・・・・・」「不思議だなあ なにもない・・・・・・ そしてオレがいなくなっても あんたはひとりで輝いてる・・・・・・ オレはあんたのなんだったんだろう?」
萩尾先生の漫画を読むにはある種の覚悟がいる。 大人になってからじゃないとなかなか読めない。それくらい鋭い。 思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。 じゃないと帰ってこれない。そんな気がする。
迫力のバレエシーンがオススメ バレエシリーズ、ポーズを見てるだけで楽しい。しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。コメディかと思ったら、シリアスな展開も。精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、名香智子さん、木原敏江さん、山岸凉子さん、森脇真末味さん、花とゆめ、LaLa、プチフラワーを踏まえてから、いわゆるオリジナルJUNE漫画系を手に取り、現在のリアルBLで舞い戻る、と言う段階を踏んでいる私ら世代は恵まれてるんじゃなかろうか。悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。人は飢えているくらいが丁度いいと思う。摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。 主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
迫力のバレエシーンがオススメ バレエシリーズ、ポーズを見てるだけで楽しい。しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。コメディかと思ったら、シリアスな展開も。精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
「おまえいつも輝いていたな 舞台で 一瞬の夢やらきらめきやら・・・・・・ もう・・・・・・ ない 不思議だ」「アーチー もう一度・・・・・・」「不思議だなあ なにもない・・・・・・ そしてオレがいなくなっても あんたはひとりで輝いてる・・・・・・ オレはあんたのなんだったんだろう?」
バレエ・ダンサーの青年レヴィを中心に、何人かの登場人物たちによって構成される連作短編集です。 「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。 レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。どちらもたのしんで読むことができました。
萩尾先生の漫画を読むにはある種の覚悟がいる。 大人になってからじゃないとなかなか読めない。それくらい鋭い。 思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。 じゃないと帰ってこれない。そんな気がする。
萩尾先生の漫画は上手すぎて読んで満足しながらもいろいろ考えるけど、でもそんなことはとうにファンによって語り尽くされているはずで…とか思ってしまいますが、感想だけ。 「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。 もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。 一番好きなのは「海賊と姫君」昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。 最後に少女が言う「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」という科白がおかしい。
バレエ・ダンサーの青年レヴィを中心に、何人かの登場人物たちによって構成される連作短編集です。 「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。 レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。どちらもたのしんで読むことができました。
萩尾先生の漫画を読むにはある種の覚悟がいる。 大人になってからじゃないとなかなか読めない。それくらい鋭い。 思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。 じゃないと帰ってこれない。そんな気がする。
迫力のバレエシーンがオススメ バレエシリーズ、ポーズを見てるだけで楽しい。しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。コメディかと思ったら、シリアスな展開も。精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
「おまえいつも輝いていたな 舞台で 一瞬の夢やらきらめきやら・・・・・・ もう・・・・・・ ない 不思議だ」「アーチー もう一度・・・・・・」「不思議だなあ なにもない・・・・・・ そしてオレがいなくなっても あんたはひとりで輝いてる・・・・・・ オレはあんたのなんだったんだろう?」
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、名香智子さん、木原敏江さん、山岸凉子さん、森脇真末味さん、花とゆめ、LaLa、プチフラワーを踏まえてから、いわゆるオリジナルJUNE漫画系を手に取り、現在のリアルBLで舞い戻る、と言う段階を踏んでいる私ら世代は恵まれてるんじゃなかろうか。悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。人は飢えているくらいが丁度いいと思う。摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。 主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
萩尾先生の漫画は上手すぎて読んで満足しながらもいろいろ考えるけど、でもそんなことはとうにファンによって語り尽くされているはずで…とか思ってしまいますが、感想だけ。 「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。 もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。 一番好きなのは「海賊と姫君」昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。 最後に少女が言う「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」という科白がおかしい。
萩尾先生の漫画を読むにはある種の覚悟がいる。 大人になってからじゃないとなかなか読めない。それくらい鋭い。 思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。 じゃないと帰ってこれない。そんな気がする。
バレエ・ダンサーの青年レヴィを中心に、何人かの登場人物たちによって構成される連作短編集です。 「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。 レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。どちらもたのしんで読むことができました。
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、名香智子さん、木原敏江さん、山岸凉子さん、森脇真末味さん、花とゆめ、LaLa、プチフラワーを踏まえてから、いわゆるオリジナルJUNE漫画系を手に取り、現在のリアルBLで舞い戻る、と言う段階を踏んでいる私ら世代は恵まれてるんじゃなかろうか。悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。人は飢えているくらいが丁度いいと思う。摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。 主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
迫力のバレエシーンがオススメ バレエシリーズ、ポーズを見てるだけで楽しい。しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。コメディかと思ったら、シリアスな展開も。精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
萩尾先生の漫画は上手すぎて読んで満足しながらもいろいろ考えるけど、でもそんなことはとうにファンによって語り尽くされているはずで…とか思ってしまいますが、感想だけ。 「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。 もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。 一番好きなのは「海賊と姫君」昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。 最後に少女が言う「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」という科白がおかしい。
「おまえいつも輝いていたな 舞台で 一瞬の夢やらきらめきやら・・・・・・ もう・・・・・・ ない 不思議だ」「アーチー もう一度・・・・・・」「不思議だなあ なにもない・・・・・・ そしてオレがいなくなっても あんたはひとりで輝いてる・・・・・・ オレはあんたのなんだったんだろう?」
萩尾先生の漫画を読むにはある種の覚悟がいる。 大人になってからじゃないとなかなか読めない。それくらい鋭い。 思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。 じゃないと帰ってこれない。そんな気がする。
「おまえいつも輝いていたな 舞台で 一瞬の夢やらきらめきやら・・・・・・ もう・・・・・・ ない 不思議だ」「アーチー もう一度・・・・・・」「不思議だなあ なにもない・・・・・・ そしてオレがいなくなっても あんたはひとりで輝いてる・・・・・・ オレはあんたのなんだったんだろう?」
迫力のバレエシーンがオススメ バレエシリーズ、ポーズを見てるだけで楽しい。しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。コメディかと思ったら、シリアスな展開も。精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
萩尾望都さん、竹宮恵子さん、名香智子さん、木原敏江さん、山岸凉子さん、森脇真末味さん、花とゆめ、LaLa、プチフラワーを踏まえてから、いわゆるオリジナルJUNE漫画系を手に取り、現在のリアルBLで舞い戻る、と言う段階を踏んでいる私ら世代は恵まれてるんじゃなかろうか。悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。人は飢えているくらいが丁度いいと思う。摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。 主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
萩尾先生の漫画は上手すぎて読んで満足しながらもいろいろ考えるけど、でもそんなことはとうにファンによって語り尽くされているはずで…とか思ってしまいますが、感想だけ。 「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。 もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。 一番好きなのは「海賊と姫君」昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。 最後に少女が言う「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」という科白がおかしい。
コメント
踊りたくなる。
たぶんこういうのを「リアリティのある臨場感」とか何とか言うんじゃないですか?
「現代っ子」って感じ。
バレエを題材にした話。
面白かった!
大人になってからじゃないとなかなか読めない。
それくらい鋭い。
思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。
じゃないと帰ってこれない。
そんな気がする。
確固たる画力に裏づけされた迫力というか、説得力がある。
とか思ってしまいますが、感想だけ。
「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。
もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。
一番好きなのは「海賊と姫君」
昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。
最後に少女が言う
「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」
という科白がおかしい。
まだ持ってる
あんたが
くれたものを
ハイド・パークの
会話
ばかばかしい
ニースの別荘の
ワナに はまった夏
レンズの
向こうの
テレパシー
迫力のバレエシーンがオススメ
しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。
コメディかと思ったら、シリアスな展開も。
精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。
美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。
思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。
豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。
溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。
人は飢えているくらいが丁度いいと思う。
摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。
主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。
カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
「ローマへの道」も読みたいな…。
こっちはどこかアンニュイ…
ローマへの道にも出てた、レヴィが主役。
...って色んな書評を見ると必ず書いてあるので、私も書いてみた。
表題作も秀作だが、『狂おしい月星』は帰らない青春のひとときを描いた佳作。
若い人にぜひ読んでほしい。
「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。
ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。
レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。
どちらもたのしんで読むことができました。
まだ持ってる
あんたが
くれたものを
ハイド・パークの
会話
ばかばかしい
ニースの別荘の
ワナに はまった夏
レンズの
向こうの
テレパシー
確固たる画力に裏づけされた迫力というか、説得力がある。
とか思ってしまいますが、感想だけ。
「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。
もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。
一番好きなのは「海賊と姫君」
昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。
最後に少女が言う
「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」
という科白がおかしい。
悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。
思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。
豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。
溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。
人は飢えているくらいが丁度いいと思う。
摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。
主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。
カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
大人になってからじゃないとなかなか読めない。
それくらい鋭い。
思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。
じゃないと帰ってこれない。
そんな気がする。
表題作も秀作だが、『狂おしい月星』は帰らない青春のひとときを描いた佳作。
若い人にぜひ読んでほしい。
「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。
ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。
レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。
どちらもたのしんで読むことができました。
ローマへの道にも出てた、レヴィが主役。
...って色んな書評を見ると必ず書いてあるので、私も書いてみた。
「ローマへの道」も読みたいな…。
こっちはどこかアンニュイ…
踊りたくなる。
たぶんこういうのを「リアリティのある臨場感」とか何とか言うんじゃないですか?
迫力のバレエシーンがオススメ
しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。
コメディかと思ったら、シリアスな展開も。
精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。
美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
「現代っ子」って感じ。
バレエを題材にした話。
面白かった!
「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。
ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。
レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。
どちらもたのしんで読むことができました。
踊りたくなる。
たぶんこういうのを「リアリティのある臨場感」とか何とか言うんじゃないですか?
ローマへの道にも出てた、レヴィが主役。
...って色んな書評を見ると必ず書いてあるので、私も書いてみた。
とか思ってしまいますが、感想だけ。
「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。
もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。
一番好きなのは「海賊と姫君」
昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。
最後に少女が言う
「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」
という科白がおかしい。
悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。
思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。
豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。
溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。
人は飢えているくらいが丁度いいと思う。
摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。
主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。
カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
「現代っ子」って感じ。
バレエを題材にした話。
面白かった!
こっちはどこかアンニュイ…
表題作も秀作だが、『狂おしい月星』は帰らない青春のひとときを描いた佳作。
若い人にぜひ読んでほしい。
確固たる画力に裏づけされた迫力というか、説得力がある。
「ローマへの道」も読みたいな…。
まだ持ってる
あんたが
くれたものを
ハイド・パークの
会話
ばかばかしい
ニースの別荘の
ワナに はまった夏
レンズの
向こうの
テレパシー
大人になってからじゃないとなかなか読めない。
それくらい鋭い。
思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。
じゃないと帰ってこれない。
そんな気がする。
迫力のバレエシーンがオススメ
しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。
コメディかと思ったら、シリアスな展開も。
精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。
美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
表題作も秀作だが、『狂おしい月星』は帰らない青春のひとときを描いた佳作。
若い人にぜひ読んでほしい。
悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。
思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。
豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。
溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。
人は飢えているくらいが丁度いいと思う。
摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。
主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。
カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
迫力のバレエシーンがオススメ
しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。
コメディかと思ったら、シリアスな展開も。
精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。
美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
ローマへの道にも出てた、レヴィが主役。
...って色んな書評を見ると必ず書いてあるので、私も書いてみた。
「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。
ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。
レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。
どちらもたのしんで読むことができました。
大人になってからじゃないとなかなか読めない。
それくらい鋭い。
思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。
じゃないと帰ってこれない。
そんな気がする。
「ローマへの道」も読みたいな…。
踊りたくなる。
たぶんこういうのを「リアリティのある臨場感」とか何とか言うんじゃないですか?
こっちはどこかアンニュイ…
確固たる画力に裏づけされた迫力というか、説得力がある。
「現代っ子」って感じ。
バレエを題材にした話。
面白かった!
とか思ってしまいますが、感想だけ。
「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。
もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。
一番好きなのは「海賊と姫君」
昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。
最後に少女が言う
「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」
という科白がおかしい。
まだ持ってる
あんたが
くれたものを
ハイド・パークの
会話
ばかばかしい
ニースの別荘の
ワナに はまった夏
レンズの
向こうの
テレパシー
「ローマへの道」も読みたいな…。
ローマへの道にも出てた、レヴィが主役。
...って色んな書評を見ると必ず書いてあるので、私も書いてみた。
「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。
ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。
レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。
どちらもたのしんで読むことができました。
大人になってからじゃないとなかなか読めない。
それくらい鋭い。
思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。
じゃないと帰ってこれない。
そんな気がする。
確固たる画力に裏づけされた迫力というか、説得力がある。
迫力のバレエシーンがオススメ
しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。
コメディかと思ったら、シリアスな展開も。
精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。
美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
こっちはどこかアンニュイ…
まだ持ってる
あんたが
くれたものを
ハイド・パークの
会話
ばかばかしい
ニースの別荘の
ワナに はまった夏
レンズの
向こうの
テレパシー
悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。
思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。
豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。
溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。
人は飢えているくらいが丁度いいと思う。
摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。
主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。
カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
とか思ってしまいますが、感想だけ。
「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。
もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。
一番好きなのは「海賊と姫君」
昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。
最後に少女が言う
「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」
という科白がおかしい。
踊りたくなる。
たぶんこういうのを「リアリティのある臨場感」とか何とか言うんじゃないですか?
「現代っ子」って感じ。
バレエを題材にした話。
面白かった!
表題作も秀作だが、『狂おしい月星』は帰らない青春のひとときを描いた佳作。
若い人にぜひ読んでほしい。
大人になってからじゃないとなかなか読めない。
それくらい鋭い。
思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。
じゃないと帰ってこれない。
そんな気がする。
「感謝知らずの男」は、人と容易に打ち解けることのできないレヴィが、隣人になったモリスとミリーのカップルのおせっかいに困惑させられる話です。
ほかに、レヴィのバレエを踊るすがたに魅せられて彼をモデルにしたいと申し出た写真家のアーチーと、その恋人だったガブリエラとの関係の変化をえがいた作品や、オリバーとローズマリィの恋をえがいた作品などが収録されています。
レヴィが主人公の4編にくらべると、あとの2編はややコミカルな雰囲気が強いようにかんじます。
どちらもたのしんで読むことができました。
悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。
思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。
豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。
溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。
人は飢えているくらいが丁度いいと思う。
摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。
主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。
カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
こっちはどこかアンニュイ…
迫力のバレエシーンがオススメ
しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。
コメディかと思ったら、シリアスな展開も。
精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。
美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
ローマへの道にも出てた、レヴィが主役。
...って色んな書評を見ると必ず書いてあるので、私も書いてみた。
とか思ってしまいますが、感想だけ。
「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。
もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。
一番好きなのは「海賊と姫君」
昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。
最後に少女が言う
「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」
という科白がおかしい。
表題作も秀作だが、『狂おしい月星』は帰らない青春のひとときを描いた佳作。
若い人にぜひ読んでほしい。
「ローマへの道」も読みたいな…。
「現代っ子」って感じ。
バレエを題材にした話。
面白かった!
確固たる画力に裏づけされた迫力というか、説得力がある。
まだ持ってる
あんたが
くれたものを
ハイド・パークの
会話
ばかばかしい
ニースの別荘の
ワナに はまった夏
レンズの
向こうの
テレパシー
踊りたくなる。
たぶんこういうのを「リアリティのある臨場感」とか何とか言うんじゃないですか?
「現代っ子」って感じ。
バレエを題材にした話。
面白かった!
大人になってからじゃないとなかなか読めない。
それくらい鋭い。
思春期に読むには、同じ周波数とか揺れを持ってなきゃいけない。
じゃないと帰ってこれない。
そんな気がする。
「ローマへの道」も読みたいな…。
ローマへの道にも出てた、レヴィが主役。
...って色んな書評を見ると必ず書いてあるので、私も書いてみた。
確固たる画力に裏づけされた迫力というか、説得力がある。
表題作も秀作だが、『狂おしい月星』は帰らない青春のひとときを描いた佳作。
若い人にぜひ読んでほしい。
踊りたくなる。
たぶんこういうのを「リアリティのある臨場感」とか何とか言うんじゃないですか?
迫力のバレエシーンがオススメ
しかし、他人の親切の押し売りにウンザリの主人公が、自分はいい事をしてやってる的な友人との噛み合わないやり取りが面白い。
コメディかと思ったら、シリアスな展開も。
精神を病んだお兄さんと病院の庭を歩くシーンが好きだ。
美しい絵と巧みなストーリーについついひきこまれる。
悶々としている思春期に、ど真ん中ド直球描写ではなく、匂い立つもので悶々さに拍車をかけて想像力を豊かにして貰い、割と肝が座ってくる大人になってからBLを与えられると言うのは。
思春期でいきなりBLが目の前にあるのは幸運のようでそうじゃないかもなぁ、見えそうで見えない、判りそうで判らない所を想像力爆発させる、と言う経験はさせて貰えてないかもしれんね。
豊潤に与えられると感覚は鈍麻する、それは自分の肉体に欲するがままにジャンクフードを与え続けて肥え太るのに似ている。
溜まってしまう脂肪は「余分」でしかない。
人は飢えているくらいが丁度いいと思う。
摂取しても捨てる選択肢を持つ、食べたら食べ多分運動すればいい、と言うのに似てはいまいか。
主人公のレヴィの存在感そのものが今で言うところのBLなのである。
カップリングの塩梅や、シチュエーションではなく、人物そのものが…
こっちはどこかアンニュイ…
とか思ってしまいますが、感想だけ。
「ローマへの道」から続くバレエ連作で、本作は不潔恐怖症の兄を持つ少年、レヴィの内的成長を淡々と綴っています。
もちろん読み応えはあるし、心理描写のリアルさに舌を巻きます。
一番好きなのは「海賊と姫君」
昔のパートナーを神様のように完璧だと神聖化し、影を追い求めてしまう少女を、たらしの大人が格好悪くもなりふり構わず必死に口説き落とす話。
最後に少女が言う
「なんで欠点だらけの人を好きになったのかしら」
という科白がおかしい。