冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。
トーマ・ヴェルナー。
そして、ユーリに残された1通の手紙。
「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。
信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。
透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。
今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。
トーマ・ヴェルナー。
そして、ユーリに残された1通の手紙。
「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。
信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。
透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。
今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
コメント
冒頭のトーマの詩
よかった
ノベライズ読んだけどなんか違う気がして
原作読んで芝居がとても忠実に再現していることがわかりました
萩尾望都の作品もっと読みたくなりました
まっすぐな無償の愛を身を挺して伝えたトーマ。
しかし、心を閉ざしたユーリには届かない。
彼の気持ちを気づかせてくれたのは、ユーリを愛するオスカーやエーリクなどの仲間たちだった。
たくさんの人の愛に触れ受け入れることで、ユーリの内にある罪の意識から許されたのかもしれない。
トーマの死をちゃんと受け止めることが出来たユーリは、彼の想いを抱えてこれから生きていける。
涙と鼻水がとまらなかった!
そして美少年がたくさんいすぎて気が変になりそうだった、あたしはオスカーがいいな。
漫画というより文学です。
男の子同士が普通にちゅーしてたりもするけれど、当たり前のように受け入れられます。
「性」を感じないと言うか。
宗教絡みもあるからか、きれいなものを読んでる感じ。
ユーリの過去とか、謎?は後半に後半にひっぱってあったから急いで読んでしまったけれど、
漫画と言うより小説を読んでいるかのようでした。
落ち着いたらもう1回読み返したいな。
トーマのか与えた愛、エーリクの愛、オスカーの愛、そして神への愛。
愛、というのは永遠のテーマであり語り尽くされることも描き尽くされることもなく、完全なる定義はきっとあたえられない。
でも、『トーマの心臓』は、愛というものに1つの輪郭と答えを与えている。
それは完全ではなく、あくまで1つの輪郭に過ぎないのだけど。
ユーリには必ず理解できると信じたから、トーマは死を選んだのだな。
と、大筋はこれなのだけど、彼らを取り巻くそのほかの少年たちの様々な心の葛藤も丁寧に描かれていて見所満載。
☆3
図書館で借りた。
なかなか感情移入がしにくいテーマだった。
この内容がこの表現で70年代に出てきたんだよな…行間がものすごく多い。
ストーリーもだけど情景や心理描写なんかももう文芸、純文。
久々に読んで、大昔に読んだときはたいして読み取れてなかったなと思った
名作ってのは名作だからそう呼ばれるんだね。
ユーリ、トーマ、オスカー、エーリク、全ての事情と感情が入り乱れて美しくまとまっています。
トーマの純粋すぎる愛情の傾け方が読んでいてすごい衝撃でした。
こんなふうに思えるなんてすごい...
少年にしかなしえない話でした...
なんかよくわかんないけど、「すごい」ということだけは理解できる。
哲学的というか、なんというか。
言葉に上手くできないけど、心にとても印象を残す作品だった。
モヤモヤした感じと晴れ上がったような気持ちとか交錯して変な感じ。
どなたかの感想で「サイフリートは創世記でいう蛇のような存在」のコメントになんとなく腑に落ちた感じだった。
これまでなんとなく絵柄が合わなくて挑戦しては挫折のくり返しだったが、今回は孤独をかみしめる中で読んだので思いを寄せることができた。
三人が三様に一人きりの心細さとたたかい、他人に手を差し伸べようとし、つながっていたい願望を自覚しながら進む方向を探す姿に心打たれた。
発表当時だと、誰派かで盛り上がったんだろうと思うと少しうらやましい。
(小学館叢書で読んだんだけど、みなさんの感想が多いのでこちらで。
でも大きいページのほうがやっぱりいい。
)
タイトルだけ知っていたもののずっと未読だった作品。
ここに描かれているのは、形ばかりのBLなどではない。
ドイツ、寄宿舎、天使のように美しい少年達、どれをとっても日本の少女たちの日常とはかけ離れた、ファンタジー的異世界において、香りのようにたちのぼり、蒸留され純化される「愛」そのもののかたちである。
なんだか、竹宮恵子やら萩尾望都らを読み漁ってると、ボーイズラブって普通やん、と思えてくるね。
壮大な文学を読んでるような気持ちになります。
ユーリの葛藤、トーマの残したかったもの、エーリクの気持ちの変化。
傑作です
「受け入れる」よりも重くて、ずっと覚悟の必要な行為
愛に順位などつけたくないけど、一番純度の高い愛があるとしたらこれなんじゃないかと思った
「彼が私を愛さねばならない」、決して自分勝手な思いではないこのことば、、ユーリに生きていてほしいが故のことば
誰もが誰かを許したり、求めたり、そうして欠けた翼を補い合って生きている。
簡単に思えるこの理を、生死や宗教を絡めながら文字通り少しずつ悟っていく作品、「理解」なんてもっての外だと思う
「翼をあげる」の場面何度でも読み返せる涙
キリストとユダの関係性もうちょっと勉強する
これもまた、リアルタイムで読んでいるはずなのに全く記憶にないのが不思議であった…が、謎が解けた。
こちらは小学生には難解すぎる。
死んだ同級生の魂をとらえられたままの主人公、ドイツの寄宿学校、マドンナ扱いされる美少年、他者の暴力による肉体と心の傷痕。
ところどころに後年の作品とも重なる断片がいくつもいくつも見つかる。
こんなに深く、美しい言葉の作品を、小学生も読む漫画雑誌に掲載していたのか。
よい時代によい作品に出会ってきたことにいまさら感謝する。
初めて読んだ時の気持ちを、いつまでも大切にしたい漫画。
僕には難しい。
難しいけれど読む度に彼らの心情を少しずつ理解出来ているような気がする。
今回で3度目。
やはり、以前より理解は深まったと思う。
いかにオスカーがユーリを愛していたか。
いかにエーリクがユーリを愛していたか。
いかにトーマがユーリを愛していたか。
いかにユーリがトーマを愛していたか。
いかにユーリがエーリクを愛していたか。
ユーリは皆を愛していた。
翼をもぎ取られたというユーリ。
しかし、ユーリに翼がなくともユーリを愛する人たちの力でユーリは飛べたのだ。
ユーリは翼が無い天使なのだ。
潔癖な年頃の少年の心情は柔らかく脆い。
素直さ故に乱暴で
素直さ故に暖かい
傷つくのを恐れ
傷をいつまでも忘れない
けれど成長するのが少年だ
美しく脆く儚く
しかしたくさんの可能性を秘めた年頃を
望都さんは描く。
痛いほどの純粋さに僕はハッとする。
僕にもその純粋さの欠片がまだ突き刺さっているのだろう。
胸に深く刺さって永遠に痛みを伴う。
そうでなくては大人に慣れない理由が無いのだ。
大人になれず子どものまま死んでしまう子もいるとはポーの一族の言葉だけど
僕は子どものまま死ぬことも成長することも叶わない、取り残された歯車なのだと思う。
使われることがなく引き出しに忘れさられた歯車。
心を震わせてくれるものがなくては生きてはいけまい。
そう、望都さんが描く世界のような美しいものが
ってなる。
きっと息を止めて読んでいたんだ。
実際トーマはほとんど出てこないのにものすごい存在感。
トーマが伝えたかったことを理解するのが難しかったけども
とてもきれいで切ないお話だった。
暇潰しにゆっくり読むつもりだったのに、引き込まれて止まらなくなった。
1回読んだだけで理解したとは思えない。
深い…もはや哲学。
ラストは何だか泣けてくるくらい感動(T_T)
男の子しか出てこないのにこういう話なので、最初は違和感あったけど…
女の子が出てこないことで逆に「恋愛」と違う愛の形が表現されてると思う。
キリスト教の知識があったら、もっと色々わかる気がする。
キリスト教についてもっと知識があれば、もっと面白く感じたかも。
萩尾望都作品、しばらく読み耽っちゃうかも。
でも目を離すことができず、つい引きこまれてしまうパワーがある。
これが「名作」と呼ばれる作品のチカラか(@@)。
男としては初めての世界で驚いたけれど、楽しく読み進めることが出来た。
詩的な表現が多くて、漫画だけど文学的な要素も含んでいる。
「トーマの心臓」という不思議な題名は、読み終わってみると素晴らしい題名だと気づかされる。
どのキャラクターにも感情移入できて(悪い奴は別)、人間関係の設定が良く出来ていると思いました。
萩尾望都に影響を受けたのが漫画家だけじゃなくて、小説家にも多いことも頷けます。
個人的にはオスカーのカッコよさに惚れた。
森博嗣の小説版もあるので是非読んでみたい。
文学的な作品なんだと思った。
ネットで解釈を調べてから再読すると新たな発見があるかも。
最後までユーリの胸の内を身近に感じられなかった事が読み込めなかった理由かもしれない。
だからといって、暗い話ではなく、むしろ透き通った光のような話。
人を愛することがどんなことなのか、教えてくれる本。
読み終わった後には、なんだか優しい気分になる。
そして、何かわからないけど、愛おしくて、祈りたくなる気分になるのでした。
私のバイブル的な本(^_^)
高校生くらいから、ずっと好きだった漫画。
ふと、また読みたくなって、本棚から出してきた。
何度読んでも、心に染み入る何かを感じさせてくれる本。
また、いつか読みたくなった時のために、そっと本棚に戻したのでした。
ぼくだけがみんなの中のユダだった・・。
」
「翼あげる・。
ぼくはいらない・・」
トーマの死についてあなたも考えてみませんか・・?
ドイツの名門男子校での少年同志の恋愛をメインにした耽美なお話。
とても小さな世界で暮らしているから、ちょっとしたことが大げさになって、生死を左右するくらいの大事件ってことになっちゃう。
そもそも彼らは自分たちの人生について将来仕事に就くとか真剣考えていたんだろうか?
最後にユーリはいきなり神学校へ行くけれど、これだって家のこととかを真剣に考えた結果とは思えないし…。
愛しているから命捧げますってのも相手に対して重い十字架を背負わせるだけのことだし、美しくないな~って思っちゃうんだよね。
他の愛し方ってあると思うの。
自分自身が大人になろうとする若くて未熟で精神的に不安定だった頃に読んだら、妙な共感を覚えたかも知れないけれど…。
名作ってことに敬意を示して☆2つです。
なんだかすいません…。
萩尾望都さんの作品は読み終わった後に
じわじわと心に居座り続ける作品ばかりですなあ
深夜に読んだのでなかなか寝れませんでした(笑)
安野モヨコさんも推してたし。
最新マンガは無理でも、年代物は図書館にあるんだね~。
母の分のカードも使うと、三週間で20冊借りられるし入り浸る訳です。
ベル薔薇やガラスの仮面に通じるキラキラタッチ。
酔えないけど、耽美でした。
宝塚っぽい。
懐かしい作品。
皆で何度も回し読みして今手元にある2冊の傷み具合も
当時を思い出させて懐かしさがこみ上げます。
私達の間では圧倒的にオスカーが人気でした。
ドイツのとある寄宿制の男子校が舞台で、
今で言うBLモノのハシリ?とも
思われるだろうけど、改めて読みなおすと
その手の香がほんのり漂いながらも
ハッキリと別モノって思います。
ある、事件をきっかけに
人を愛する真心を封印してしまうユーリ。
トーマは命を差し出して
愛は全てを許すことが(他人も自分自身も)
出来るとユーリに伝えたかったのかな。
ラストで神学校へ1人向かうユーリと
見送るエーリックとオスカー。
救われたユーリの清々しさ
友が去っていく寂しさ
どちらも切なく愛おしい。
ボーイズラブ・ヨーロッパにおける差別の構図・愛するということと愛の変遷など深遠なテーマが作品内にちりばめられていた。
一回読むだけでどっと疲れるけれど、その分とても読みごたえがあって頭をフル回転させられる。
とてもよいマンガだった。
漫画「トーマの心臓」を読んだのは、1981年です。
あんまり印象には残りませんでした。
「ポーの一族」「スターレッド」「百億の昼と千億の夜」等の方がずっと好きでした。
最近、森博嗣著「トーマの心臓」を読んだので、もう一度漫画の方を読んでみました。
森さんの本よりは分かりやすいように思いますが、テーマは、無償の愛ということのようなので、苦手のテーマです。
見合いで結婚した神さんに、「私のこと愛してる?」って聞かれて、即答できず、ずいぶん責められました。
愛というのは、未だにわかりません。
ユーリを好きなトーマが、トーマの愛を受け入れてくれないために、鉄道自殺をしてしまいます。
表面上は、冷静にふるまっているユーリですが、ユーリには、以前上級生に煙草に火を押し付けられる等のリンチを受けて、心に傷をもっている、という事情があったのです。
寄宿舎で、ユーリの同室になっている、オスカーは、ユーリが変な気を起こしたりしないように見張る役目だったのです。
(ユーリは、先輩のサイフリートたちの招待に応じ、リンチされ、神を裏切る行為をしてしまったことで、天使の羽を失い、ひとを愛し信じることを止めた。
)
トーマの記憶が薄れてしまう前に、トーマにそっくりのエーリクという転校生が現れます。
人間には、邪悪な心が潜んでいて、ときどき牙をむいたりします。
ユーリにも邪悪な心があり、エーリクにちらりと牙をむけたりします。
最終的には、人は人とかかわらずには生きていけないということを理解して、受け入れて、生きて行くということなのでしょう。
エーリクの母が、交通事故で亡くなり、学校に無断で出かけたエーリクをユーリが迎えに行きますが、漫画では、単独で行きます。
森さんの小説では、オスカーがユーリに同行します。
オスカーの視点から描いてあるので、そうせざるを得なかったのでしょう。
漫画では、母を失ったエーリクをトーマの両親が引き取るという話が出てきます。
エーリクとトーマは遠い親戚だった、というのです。
小説で出てくる、校長のセミナーの話は、漫画では出てきません。
ユーリのリンチの話や受けた火傷の傷、トーマがなぜ自殺をしたのか、ユーリがエーリクやトーマを受け入れて行く様子は、漫画の方がわかりやすいように思います。
よくわからないのがこの漫画の中で、「ルネッサンスとヒューマニズム」という本の持っている意味、です。
●天使の羽は(89頁)
(ユーリ)ぼくは賛美歌を歌い神を語るふりをする。
でもぼくはすでに天使の羽をもたない。
ぼくは毎週家へ愛をこめた手紙を書く。
ぼくは学校では信頼の厚い委員長だ。
でもぼくは誰も信じてはいない。
愛してもいない。
だから誰もぼくを愛してくれなくともいいのだ。
信じてくれなくともいいのだ。
ふりをし、つくろい、えりを正し、なにくわぬ顔をしてぼくは生きていけるのだから・・・
●ベートーベンはなぜ遺書を(104頁)
(先生)「なぜベートーベンはハイリゲン・シュタットの遺書を書いたんだ」
(エーリク)「好きな女にはふられるし、ヒスを起こすので友人はよりつかないし、酒を飲みすぎて胃は痛むし、へつらうには自尊心が高すぎ、近視で難聴でもうめちゃくちゃだったので」
●ゲーテがベートーベンの友人?(105頁)
(エーリク)「ゲーテはベートーベンをごうまんないなかっぺと言って彼のことではかんしゃくばかり起こしているし―」
●どこが面白い(155頁)
(エーリク)「女の子と知り合いになってどうするの?」
(仲間)「その!
楽しいじゃない。
話をしたり、キスしたり」
(エーリク)「それのどこが面白いの?」
●トーマはアムール(恋神)(161頁)
(オスカー)トーマの中にはアムールが住んでいたんだ。
それも極めつけの上等の。
それはもうそれだけで、触れた人間を幸せな気持ちにせずにはおかないような何かが。
●好かれるのなんかまっぴら(180頁)
(ユーリ)「ぼくはね人から好かれるのなんかまっぴらだね!
友情や行為や同情や・・・。
そんなものは迷惑だよ!
」
●ヘッセについて(194頁)
(エーリク)詩人になりたい、さもなくば生きていたくないとヘッセ入ったが小説家として名を成してしつこく85歳まで生きた。
若いころは学校は退学、本屋に勤めりゃ三日で逃げ出すホートー息子
☆萩尾望都の本(既読)
「ストローベリーフィールズ」萩尾望都著、新書館、1976.11.05
「少年よ」萩尾望都著、白泉社、1976.12.25
「月夜のバイオリン」萩尾望都著、新書館、1981.12.25
「戯曲・半神」萩尾望都・野田秀樹著、小学館、1987.10.20
「斎王夢語」萩尾望都著、新潮社、1994.09.20
「左手のパズル」萩尾望都著・東逸子絵、新書館、1995.08.05
「思い出を切りぬくとき」萩尾望都著、あんず堂、1998.04.23
「トリッポンのこねこ」萩尾望都著・こみねゆら絵、教育画劇、2007.02.
「トリッポンと王様」萩尾望都著・こみねゆら絵、教育画劇、2007.02.
「トリッポンとおばけ」萩尾望都著・こみねゆら絵、教育画劇、2007.02.
「トーマの心臓」萩尾望都原作・森博嗣著、メディアファクトリー、2009.07.31
(2010年11月7日・記)
最近、長山靖生著「萩尾がいる」を読んだので、図書館で借りて何十年ぶりかで再読してみた。
自分も歳をとり、それなりの人生経験を重ねてきた。
そこでこの作品を読み返すと、いろいろな解釈ができるのことに気付いた。
単なるBLの本ではないと感じる。
これを小説で描いていたら、きっと芥川賞をとっていたかもしれない。
他の人が書いたものがありますけど(未読です)。
あと、歳のせいで文庫版コミックは絵も文字も小さく、読み続けるのが辛くなってきた。
何度も読み返したくなる。
美しすぎる男子の園、美しくもなく男子でもない私には一切無縁の愛の物語。
無縁すぎて、純粋に楽しめました。
誰かの悲しみを憂い、誰かの幸福を祈る――簡単そうで、時にすべてを投げ出す覚悟を求められさえする。
読み返すほどに、静かに心に降り積もる――さらさらと輝く結晶のような名作。
傑作
こんなすごい作品を子供の頃に読んでいたらおかしくなっていたと思う
女の子に混じっていられるほどには幼くなくて。
よくも悪くも?境界?にいる彼らは
危うい乱れと、どこか寄せ付けない潔癖さを内包している。
そんな彼らの驚くほどに一途な思春期の想いは
愛にも恋にも成らず、
ただただ、そこに在り続ける。
大人になり、あの頃の感覚を失っていく事は、果たして進化なのか、それとも退化なのか
今でもまだ、分からなくなる。
すごいですね。
誤解してた。
もっと違う方向のものかと思ってました。
読んでいてたまらなくせつなくなった。
みんな素敵だけど、好みはオスカーです。
かっこよくて自分は報われない…!
すきです。
息が止まるようなうつくしさと、かなしさ。
泣いてしまうことしかできない、想いたち。
あまりに澄んでいて、傷ついてしまうやわらかなひとみ。
少年たちの純粋な愛情が眩しかったです。
逆に、出会わなかったらつまらない人生だったとも思う。
「愛」というテーマを純粋に考察するときに、たとえば性別を排除して考える。
すると、私のいつもの見方とは違う見方でそのテーマを考えることができる。
この作品は、ドイツの少年ばかりのギムナジウムという閉鎖的な空間でのやりとりであり、「愛」とはなにかを考えるきっかけになるもの。
但し、私にはメインテーマであるトーマの愛は難しくて、どちらかといえば、オスカーが父親と母親に抱える愛(のようなもの)に共感する。
そして最後には、悲しくも嬉しくもない涙が止まらない。
そんな不思議な作品。
ぼくの生と死と それからひとりの友人について・・・
・・・ぼくが彼を愛したことが問題なのじゃない
彼がぼくを愛さねばならないのだ
どうしても』
非常に繊細。
文学の質を備えている漫画。
舞台はドイツのギムナジウム、主人公は自責の念から「自分には人を愛する資格がない」と心を閉ざす少年ユーリ。
冒頭いきなり少年(トーマ)が自殺し、彼と生き写しの転校生の目を通じて、トーマがどんな人間だったかが明かされていく。
次第に物語の焦点はユーリの苦悩へと移り、彼の再生までを丁寧に追う。
一瞬同性愛ものかと思ったが(男子校で生徒同士がキスしたりしちゃうもんだから)、そういう体裁をとったのは、性愛を排し、不信と孤独、愛と許しという主題に集中するためとみた。
彼らが口にする「好き」は、「きみの信頼を得たい」に近い。
『ぼくは成熟しただけの子どもだ ということはじゅうぶんわかっているし
だから この少年の時としての愛が
性もなく正体もわからないなにか透明なものへ向かって
投げ出されるのだということも知っている』
トーマの手紙はどこまでも名文。
ユーリはもらった翼でボンに飛び、神学校へ。
なんだかもったいない気もするが、彼の苦悩が信仰と不可分だったことを思えば自然か。
トーマの献身、エーリクの純粋さ、オスカーの優しさを、その人の愛ととるか、神の愛の現れととるのか。
ユーリはそこに「神の愛」を見た。
信仰のない私は前者かな。
でも、多分どちらでも同じなのだ。
それが彼を生かした、という意味において。
とにかく美しい。
何度読み返しても胸がいっぱいになる。
BL・少年愛を語る上で欠かせない作品であると個人的に思っていました。
やっと読めた!
***
少年同士の愛の話なのに、少女漫画らしいすごく綺麗な話でした。
漫画なのに全てが詩的で、文学的。
合間合間に描かれる、花びらや天使の羽根が舞う暗喩的な心理描写。
少年だからこその危うさ、少年たちだからこその愛し方。
少年同士だからこそ名作なんではないかと思いました。
ユーリの傷を知り、おもいを募らせながら見守るオスカー。
救済するために命を捧げた天使のようなトーマ。
トーマの陰をもつどこまでも真っ直ぐなエーリク。
みんなユーリを愛しているのに、ユーリは自分は愛し愛される資格がないと思っている。
せつなすぎる痛すぎる。
もう、しばらく忘れてた気がする、少年の素晴らしさ。
純粋に愛を表現しようとしたらそこに男女…つか女が存在してはいけないんだ。
女はどこまでもエロスな存在だから。
少年には性がない。
だから肉体関係があるBLとはダンチでこうずっしりくるもんがあるのですね。
心臓は愛の象徴。
トーマの愛。
それがこの作品のテーマ。
犠牲愛…うん。
でも、すごくきれい、
これがわたしたちがひとを愛し生きる意味なんだと思います。
そのときはBLモノのハシリみたいな紹介だったか、非常にうろ覚えだがタイトルにインパクトがあったのか、なんとなく記憶に留めていた。
萩尾望都の作品といえば、「マージナル」がぼくの中では一番印象に残っている。
原作漫画を読んだわけではないが、NHK-FMのラジオドラマのサントラを細野晴臣が担当していたことが記憶のマーキングとなったのだ。
音楽素材としての「マージナル」を通して萩尾望都に辿り着いた逆引きパターンである。
その他では、菅野美穂の初主演ドラマでもある「イグアナの娘」ぐらいだろう。
昭和24年頃生まれの竹宮惠子や大島弓子などとともに「花の24年組」と呼ばれ少女漫画ブームを巻き起こしたが、ぼくが読んだ少女漫画と言えば、いがらしゆみこの「キャンディ・キャンディ」と庄司陽子の「生徒諸君」と限定的であったため、花の24年組は引っかからなかったようだ。
そしてその後のアニメブームによって再認識することになる。
「地球へ・・・」とか「綿の国星」とかね。
そんな萩尾望都の「トーマの心臓」をミステリー作家の森博嗣がノベライズしたものをブックオフで不意に見つけてしまったものだから、原作漫画未読のまま興味津々で読んでしまったわけだ。
ぼくはずっとこの「トーマの心臓」というタイトルの心臓の意味が気になっていた。
ミステリー作家の森博嗣だけにぼくは以下のようなことを読みふけりながら想像していた。
事故か自殺で死んだことになっているトーマは、実はトーマそっくりのエーリクと双子の兄弟で、お互いその事実を知らないまま、エーリクが心臓疾患で心臓移植が必要な状態になり、トーマはなんらかの事情でエーリクに自身の心臓を捧げ命を絶ったのだろう、と。
まあこれがまったくの妄想であったことは、森博嗣のノベライズを読むだけでも容易に理解できるが、では「トーマの心臓」の心臓とはなんだったのか、という疑問は森博嗣のノベライズだけでは理解することはできなかった。
それよりも、舞台をなぜあえて日本にしたのか、ということの方が気になったが、それはここでは深く追求するまい。
そうして、原作漫画の「トーマの心臓」をブックオフで探す間、とりあえず大塚英志の評論を再度読んでみようと思ったので探してみた。
すると、「人身御供論」という評論に「トーマの心臓」をテーマにした章があったので再読することにした。
ここで、大塚英志は心臓の意味を冒頭で言い当てている。
萩尾望都『トーマの心臓』は例外的なケースに属するという点で注目すべき作品だ。
この作者が〈供犠〉という主題に自覚的であることを確認するには、題名に含まれた「心臓」というキーワードの存在を指摘するだけでこと足りよう(人身御供はその心臓をえぐられ神に捧げられることで供犠たりうるのだから)。
この作品のタイトルはこの物語の主題あるいは読みほどかれる方向を作者自身が暗示しているといえる。
大塚英志によれば「トーマの心臓」における心臓とは供犠として差し出されるものであり、それはユーリの成熟の代償であったとしている。
つまり、ユーリが成熟する物語のために御供死としてのトーマが必要だったわけである。
トーマの死によってユーリの成熟の物語は発動し、その象徴としてタイトルに心臓が冠されたと考えるのが妥当なようだ。
そうして、ようやくブックオフで文庫版の漫画「トーマの心臓」を108円で購入し、小さなコマをチマチマ読んだわけだ。
しかしながら、少女漫画に慣れないぼくは非常に時間がかかった。
さらには文庫版の小さなコマ割りにあまり得意ではないぼくはさらなる遅読を強いられることになったのだ。
原作漫画は、ヨーロッパの全寮制男子校を舞台にトーマという少年の死から始まる愛の物語だった。
少年の恋愛を取り上げているのでBLと言われても仕方がないが、描かれているテーマはもっと深く、キリスト教的な教義を元にして生と死、愛と憎悪などを問題提起していて非常に真面目な物語であった。
誰からも愛される美少年トーマと誠実な学級院長ユリスモール(ユーリ)の関係、その関係の末のトーマの死、そしてトーマと瓜二つだが性格はまったく真逆のエーリクの登場で、ユリスモールの人生が大きくねじ曲げられることになる。
しかし、その背後にオスカーという謎ある同級生が関係していく。
彼らの1年間を通して、少年が大人になっていくための葛藤や軋轢が実に見事に描かれていると思う。
「死を持って愛を尊ぶ 」と誰かが言ってたのか定かではないが、少年たちには過酷な問題提起がなされっていると思うけれど、彼らはそれぞれに困難な生い立ちも含め、そしてそれぞれの愛を内包させてひとつ成長できたのだろう。
これは、少女漫画におけるビルドゥングスロマンの傑作だと感じた。
想いを勘違いされ、拒絶させられたからじゃないのかと序盤では考えていたものの、読み進めていくうちにそんな簡単な理由ではなさそうだと気づかされました。
そう気づくことはできたものの、なぜという理由まで分からない……。
私がまだ精神的に成長できていないのか、トーマの行動自体、宗教的な考えによる行動だったのか。
ただこの作品が娯楽で片付けられるような作品ではなく、深層まで考えてようやく到達できるような文学要素を兼ね備えた重たいものであることだけは、かろうじて分かる。
ユーリが一人で行ってしまったのは、納得しつつも寂しいなあ。
別にシュロッターベッツから去らんでもいいやん…。
シドさんの愛の深さに胸打たれる。
身ひとつで雪まみれのサンタみたいになって飛んできたとことかほんまに(;_;)
これはユーリの物語やったけど、幸薄そうなオスカーとシドさんもうんと幸せになってほしい。
しかしこれが40年近く前の発行とは。
萩尾望都は偉大なり…
漫画には珍しく理解するのに少し時間が必要だと思う作品でした。
けど引き込まれる。
というのが一回目。
ふと気がつけばあの詩がめぐる。
そして幾度も読むんだろうなあ
主人公たちや,このものがたり自体は,それほど評価しているわけではありません。
ただ,ただトーマがいとおしくて。
あんなふうに生きられたならよかった,と。
登場人物たちは初めから愛されている。
けれども愛されるだけじゃ足りない。
愛することでやっと幸福になることができる。
今はここまで
傑作
こんなすごい作品を子供の頃に読んでいたらおかしくなっていたと思う
もう、こんなに力のある言葉は今の少女漫画では見れないと思う。
ドイツ、ギムナジウム、当然出てくるのは男の子ばっかり。
自分とは一切接点がない。
でも、目の前で彼らの息遣いが聞こえてきそうなぐらい、彼らの生はリアル。
傷つけあって、支えあって、それぞれの『愛』にむきあっていく彼らをBLとか、そういう言葉で片付けたくない。
最後まで読むと、この「トーマの心臓」というタイトルが別の意味をもつことになる。
岡崎京子がリバーズエッジでいっていた「僕たちの短い永遠」を、もっと、ずっと前に、しかもこんなに美しく描いてたなんてモー様さすが。
BLに抵抗がある人も、ぜひ読んでほしい。
あと、オスカー萌え。
ここで描かれている世界も分かんないし、
これを読んで胸躍らせている世界も、
理解できないんですけどね。
でも、まあ、読みごたえはありました。
オスカーやろなー、推すとしたら笑
キリスト教についてもっと知識があれば、もっと面白く感じたかも。
萩尾望都作品、しばらく読み耽っちゃうかも。
当時森博嗣が好きで、森博嗣がかなり褒め称えて紹介していたので購入。
その時は、「オスカーとユーリ超イイ!
w」という感想と、よくわからないけど洗われた気持ちになったなぁというぼんやりした感想でした。
あれからしばらく経ち、何度も読み返しましたが、読むたび新しい感動があります。
萩尾先生…すごすぎる…
ユーリがトーマの言葉の意味に気付くシーンの美しさは異常です。
『トーマの心臓』萩尾 望都 ☆4
ふむ・・・深いですな。
逆に、出会わなかったらつまらない人生だったとも思う。
「愛」というテーマを純粋に考察するときに、たとえば性別を排除して考える。
すると、私のいつもの見方とは違う見方でそのテーマを考えることができる。
この作品は、ドイツの少年ばかりのギムナジウムという閉鎖的な空間でのやりとりであり、「愛」とはなにかを考えるきっかけになるもの。
但し、私にはメインテーマであるトーマの愛は難しくて、どちらかといえば、オスカーが父親と母親に抱える愛(のようなもの)に共感する。
そして最後には、悲しくも嬉しくもない涙が止まらない。
そんな不思議な作品。
ドイツの名門男子校での少年同志の恋愛をメインにした耽美なお話。
とても小さな世界で暮らしているから、ちょっとしたことが大げさになって、生死を左右するくらいの大事件ってことになっちゃう。
そもそも彼らは自分たちの人生について将来仕事に就くとか真剣考えていたんだろうか?
最後にユーリはいきなり神学校へ行くけれど、これだって家のこととかを真剣に考えた結果とは思えないし…。
愛しているから命捧げますってのも相手に対して重い十字架を背負わせるだけのことだし、美しくないな~って思っちゃうんだよね。
他の愛し方ってあると思うの。
自分自身が大人になろうとする若くて未熟で精神的に不安定だった頃に読んだら、妙な共感を覚えたかも知れないけれど…。
名作ってことに敬意を示して☆2つです。
なんだかすいません…。
何度も読み返したくなる。
美しすぎる男子の園、美しくもなく男子でもない私には一切無縁の愛の物語。
無縁すぎて、純粋に楽しめました。
「受け入れる」よりも重くて、ずっと覚悟の必要な行為
愛に順位などつけたくないけど、一番純度の高い愛があるとしたらこれなんじゃないかと思った
「彼が私を愛さねばならない」、決して自分勝手な思いではないこのことば、、ユーリに生きていてほしいが故のことば
誰もが誰かを許したり、求めたり、そうして欠けた翼を補い合って生きている。
簡単に思えるこの理を、生死や宗教を絡めながら文字通り少しずつ悟っていく作品、「理解」なんてもっての外だと思う
「翼をあげる」の場面何度でも読み返せる涙
キリストとユダの関係性もうちょっと勉強する
少年のリボンタイとか、全寮制とか、つまりギムナジウム好きには元祖と呼べる作品なのでしょうか。
年代を感じさせる独特な画風ですが、繊細で美しく世界観に惹きこまれました。
物語も続きが次々知りたくなる展開で飽きさせません。
少年たちの日常に垣間見る心の移り変わりや愛に、特に最後に感動しました。
すごく切なくて綺麗でした。
オスカー好きだ。
萩尾望都の描く少年たちは瑞々しくて大すき
もういちど読んでからレビューを書く
でも目を離すことができず、つい引きこまれてしまうパワーがある。
これが「名作」と呼ばれる作品のチカラか(@@)。
安野モヨコさんも推してたし。
最新マンガは無理でも、年代物は図書館にあるんだね~。
母の分のカードも使うと、三週間で20冊借りられるし入り浸る訳です。
ベル薔薇やガラスの仮面に通じるキラキラタッチ。
酔えないけど、耽美でした。
宝塚っぽい。
これを男女の愛にしてしまっては、この愛は表現できなかったものだと思う。
昔にも読んだことがあったのですが、
全然理解出来てなかった事に愕然。
。
。
もう一度萩尾作品読み直そうかな。
。
。
小5の時は理解できませんでした
色々な意味で美しいです
誰かの悲しみを憂い、誰かの幸福を祈る――簡単そうで、時にすべてを投げ出す覚悟を求められさえする。
読み返すほどに、静かに心に降り積もる――さらさらと輝く結晶のような名作。
この内容がこの表現で70年代に出てきたんだよな…行間がものすごく多い。
ストーリーもだけど情景や心理描写なんかももう文芸、純文。
久々に読んで、大昔に読んだときはたいして読み取れてなかったなと思った
最近、森博嗣さんの小説を読んで、頭にきた。
オスカーは、そんなじゃない!
親友、なんて言葉を、あんなにたやすく、使ったりしないだろう。
怒!
萩尾望都先生の世界を壊さないで!
もう、こっちを読み返して、気分をなおす。
…やはり、名作だ。
私は、オスカーが、大好きなのです。
15歳にして、あの大人感。
…素敵です。
まっすぐな無償の愛を身を挺して伝えたトーマ。
しかし、心を閉ざしたユーリには届かない。
彼の気持ちを気づかせてくれたのは、ユーリを愛するオスカーやエーリクなどの仲間たちだった。
たくさんの人の愛に触れ受け入れることで、ユーリの内にある罪の意識から許されたのかもしれない。
トーマの死をちゃんと受け止めることが出来たユーリは、彼の想いを抱えてこれから生きていける。
冒頭のトーマの詩
よかった
ノベライズ読んだけどなんか違う気がして
原作読んで芝居がとても忠実に再現していることがわかりました
萩尾望都の作品もっと読みたくなりました
そのときはBLモノのハシリみたいな紹介だったか、非常にうろ覚えだがタイトルにインパクトがあったのか、なんとなく記憶に留めていた。
萩尾望都の作品といえば、「マージナル」がぼくの中では一番印象に残っている。
原作漫画を読んだわけではないが、NHK-FMのラジオドラマのサントラを細野晴臣が担当していたことが記憶のマーキングとなったのだ。
音楽素材としての「マージナル」を通して萩尾望都に辿り着いた逆引きパターンである。
その他では、菅野美穂の初主演ドラマでもある「イグアナの娘」ぐらいだろう。
昭和24年頃生まれの竹宮惠子や大島弓子などとともに「花の24年組」と呼ばれ少女漫画ブームを巻き起こしたが、ぼくが読んだ少女漫画と言えば、いがらしゆみこの「キャンディ・キャンディ」と庄司陽子の「生徒諸君」と限定的であったため、花の24年組は引っかからなかったようだ。
そしてその後のアニメブームによって再認識することになる。
「地球へ・・・」とか「綿の国星」とかね。
そんな萩尾望都の「トーマの心臓」をミステリー作家の森博嗣がノベライズしたものをブックオフで不意に見つけてしまったものだから、原作漫画未読のまま興味津々で読んでしまったわけだ。
ぼくはずっとこの「トーマの心臓」というタイトルの心臓の意味が気になっていた。
ミステリー作家の森博嗣だけにぼくは以下のようなことを読みふけりながら想像していた。
事故か自殺で死んだことになっているトーマは、実はトーマそっくりのエーリクと双子の兄弟で、お互いその事実を知らないまま、エーリクが心臓疾患で心臓移植が必要な状態になり、トーマはなんらかの事情でエーリクに自身の心臓を捧げ命を絶ったのだろう、と。
まあこれがまったくの妄想であったことは、森博嗣のノベライズを読むだけでも容易に理解できるが、では「トーマの心臓」の心臓とはなんだったのか、という疑問は森博嗣のノベライズだけでは理解することはできなかった。
それよりも、舞台をなぜあえて日本にしたのか、ということの方が気になったが、それはここでは深く追求するまい。
そうして、原作漫画の「トーマの心臓」をブックオフで探す間、とりあえず大塚英志の評論を再度読んでみようと思ったので探してみた。
すると、「人身御供論」という評論に「トーマの心臓」をテーマにした章があったので再読することにした。
ここで、大塚英志は心臓の意味を冒頭で言い当てている。
萩尾望都『トーマの心臓』は例外的なケースに属するという点で注目すべき作品だ。
この作者が〈供犠〉という主題に自覚的であることを確認するには、題名に含まれた「心臓」というキーワードの存在を指摘するだけでこと足りよう(人身御供はその心臓をえぐられ神に捧げられることで供犠たりうるのだから)。
この作品のタイトルはこの物語の主題あるいは読みほどかれる方向を作者自身が暗示しているといえる。
大塚英志によれば「トーマの心臓」における心臓とは供犠として差し出されるものであり、それはユーリの成熟の代償であったとしている。
つまり、ユーリが成熟する物語のために御供死としてのトーマが必要だったわけである。
トーマの死によってユーリの成熟の物語は発動し、その象徴としてタイトルに心臓が冠されたと考えるのが妥当なようだ。
そうして、ようやくブックオフで文庫版の漫画「トーマの心臓」を108円で購入し、小さなコマをチマチマ読んだわけだ。
しかしながら、少女漫画に慣れないぼくは非常に時間がかかった。
さらには文庫版の小さなコマ割りにあまり得意ではないぼくはさらなる遅読を強いられることになったのだ。
原作漫画は、ヨーロッパの全寮制男子校を舞台にトーマという少年の死から始まる愛の物語だった。
少年の恋愛を取り上げているのでBLと言われても仕方がないが、描かれているテーマはもっと深く、キリスト教的な教義を元にして生と死、愛と憎悪などを問題提起していて非常に真面目な物語であった。
誰からも愛される美少年トーマと誠実な学級院長ユリスモール(ユーリ)の関係、その関係の末のトーマの死、そしてトーマと瓜二つだが性格はまったく真逆のエーリクの登場で、ユリスモールの人生が大きくねじ曲げられることになる。
しかし、その背後にオスカーという謎ある同級生が関係していく。
彼らの1年間を通して、少年が大人になっていくための葛藤や軋轢が実に見事に描かれていると思う。
「死を持って愛を尊ぶ 」と誰かが言ってたのか定かではないが、少年たちには過酷な問題提起がなされっていると思うけれど、彼らはそれぞれに困難な生い立ちも含め、そしてそれぞれの愛を内包させてひとつ成長できたのだろう。
これは、少女漫画におけるビルドゥングスロマンの傑作だと感じた。
主人公たちや,このものがたり自体は,それほど評価しているわけではありません。
ただ,ただトーマがいとおしくて。
あんなふうに生きられたならよかった,と。
とにかく美しい。
何度読み返しても胸がいっぱいになる。
あぁ、やっぱりこっちだなー、と思った
小説より原作がいい
トーマの純粋すぎる愛情の傾け方が読んでいてすごい衝撃でした。
こんなふうに思えるなんてすごい...
少年にしかなしえない話でした...
初回読書アンケート最下位で打ち切り危機を
乗り越えての誕生秘話。
独ギムナジウム(寄宿学校)が舞台。
ユーリに想いがあったトーマがある冬の朝死亡する、黒髪のユーリ、両親がいないオスカー、トーマにソックリマザコン転入生エーリク。
人間の愛をキリスト教と絡めて問う少女マンガを超えたまるで小説のような作品同じギムナジウム竹宮惠子さん少女マンガ革命少年愛「風と木の詩」とは世界観違いを感じました。
これは名作
これはBLのひと言で片付けてはならない作品。
萩尾望都先生の他の作品も読んでみたくなった。
さいごにまだ瞼の裏を離れない台詞を
「ぼくではだめか ユーリ ぼくではだめか…」
オ、オスカー!
;;;;;;;;
男としては初めての世界で驚いたけれど、楽しく読み進めることが出来た。
詩的な表現が多くて、漫画だけど文学的な要素も含んでいる。
「トーマの心臓」という不思議な題名は、読み終わってみると素晴らしい題名だと気づかされる。
どのキャラクターにも感情移入できて(悪い奴は別)、人間関係の設定が良く出来ていると思いました。
萩尾望都に影響を受けたのが漫画家だけじゃなくて、小説家にも多いことも頷けます。
個人的にはオスカーのカッコよさに惚れた。
森博嗣の小説版もあるので是非読んでみたい。
ユーリの傷を知り、おもいを募らせながら見守るオスカー。
救済するために命を捧げた天使のようなトーマ。
トーマの陰をもつどこまでも真っ直ぐなエーリク。
みんなユーリを愛しているのに、ユーリは自分は愛し愛される資格がないと思っている。
せつなすぎる痛すぎる。
もう、しばらく忘れてた気がする、少年の素晴らしさ。
純粋に愛を表現しようとしたらそこに男女…つか女が存在してはいけないんだ。
女はどこまでもエロスな存在だから。
少年には性がない。
だから肉体関係があるBLとはダンチでこうずっしりくるもんがあるのですね。
心臓は愛の象徴。
トーマの愛。
それがこの作品のテーマ。
犠牲愛…うん。
でも、すごくきれい、
これがわたしたちがひとを愛し生きる意味なんだと思います。
懐かしい作品。
皆で何度も回し読みして今手元にある2冊の傷み具合も
当時を思い出させて懐かしさがこみ上げます。
私達の間では圧倒的にオスカーが人気でした。
ドイツのとある寄宿制の男子校が舞台で、
今で言うBLモノのハシリ?とも
思われるだろうけど、改めて読みなおすと
その手の香がほんのり漂いながらも
ハッキリと別モノって思います。
ある、事件をきっかけに
人を愛する真心を封印してしまうユーリ。
トーマは命を差し出して
愛は全てを許すことが(他人も自分自身も)
出来るとユーリに伝えたかったのかな。
ラストで神学校へ1人向かうユーリと
見送るエーリックとオスカー。
救われたユーリの清々しさ
友が去っていく寂しさ
どちらも切なく愛おしい。
これもまた、リアルタイムで読んでいるはずなのに全く記憶にないのが不思議であった…が、謎が解けた。
こちらは小学生には難解すぎる。
死んだ同級生の魂をとらえられたままの主人公、ドイツの寄宿学校、マドンナ扱いされる美少年、他者の暴力による肉体と心の傷痕。
ところどころに後年の作品とも重なる断片がいくつもいくつも見つかる。
こんなに深く、美しい言葉の作品を、小学生も読む漫画雑誌に掲載していたのか。
よい時代によい作品に出会ってきたことにいまさら感謝する。
難しい…。
なんかやっぱり、乳幼児期の育ての愛というものが欠損してるからなのか…他人への愛というものが深く理解できない気がする。
ただ雰囲気は好きだった。
だれも愛していないの
それで生きていけるの…?これからもずっと…?
というトーマの問いが心に刺さった。
正直、途中で投げ出そうと思ったんですけれども、頑張って最後まで読みました…まあ、そこそこに良かったと思いますねぇ…人を選ぶ作品だとは思いますが…
ヽ(・ω・)/ズコー
あんまり人間同士の愛とかを強調するやうな作品は好まない僕ちんですけれども、そしてこの作品も普段なら決して手に取ることのない作品なんですけれども、上記したように名作扱いなことと作家の森博嗣氏が小説化していることから手に取ってみたのでした…。
まあ、なんでしょう…ホモ?漫画とか言うんでしょうかねぇ、これ…作者の絵のタッチのせいか分からんのですけれども、全然いやらしさとかは無いんですけれどもねぇ…。
ヽ(・ω・)/ズコー
というわけで、初めて読むジャンルの漫画だったので☆三つですね!
いや、決してつまらなかったわけではないのですけれども…自分の中でどう消化すればいいのかわからなかった漫画なのでこういった評価に相成りました…さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー
愛というものを知っている人間はどれくらいいるのだろう?
愛には距離感が大切だと思う。
遠すぎては愛がわからないし、近づきすぎると愛は別なものに形を変える…気がする。
でも、この本で描かれている愛はちょっと違うと思う。
きっと読むたびに答えが違うのだろうな…
愛について考えたい時、何度でも読み返そう。
いや、トーマじゃなくて「11月のギムナジウム」を読んだんだったんだ。
なので、今回は初読で一気読みするという贅沢だった。
よかったんだけど、「11月のギムナジウム」がまとまっていて無理がないのに対しこの作品はなんか青いなという感じがしてしまったので評価は4。
なんか、エーリクのマザコンぶりが鼻についてしょうがなかったというのもある。
私はやっぱりオスカーのファンだな~。
少年たちの純粋な愛情が眩しかったです。
(というか押し付けられた)一冊。
マンガは好きなのでとりあえず読んでみたけど、
主題が結構難しい…と私は思いました。
ある人を救うために、自ら命を投げ出すということが
描かれているのだと思います。
男子学校が舞台なので、そっち方面の描写も少々あります。
それがちょっとね~~と言ってた人もいたので★マイナス1に
しました。
でも信仰をもって読んでみると、色恋沙汰でなく
かなり深い話なのかなという気がしています。
なんだか、竹宮恵子やら萩尾望都らを読み漁ってると、ボーイズラブって普通やん、と思えてくるね。
壮大な文学を読んでるような気持ちになります。
ユーリの葛藤、トーマの残したかったもの、エーリクの気持ちの変化。
傑作です
名作ってのは名作だからそう呼ばれるんだね。
ユーリ、トーマ、オスカー、エーリク、全ての事情と感情が入り乱れて美しくまとまっています。
ユーリが一人で行ってしまったのは、納得しつつも寂しいなあ。
別にシュロッターベッツから去らんでもいいやん…。
シドさんの愛の深さに胸打たれる。
身ひとつで雪まみれのサンタみたいになって飛んできたとことかほんまに(;_;)
これはユーリの物語やったけど、幸薄そうなオスカーとシドさんもうんと幸せになってほしい。
しかしこれが40年近く前の発行とは。
萩尾望都は偉大なり…
ってなる。
きっと息を止めて読んでいたんだ。
実際トーマはほとんど出てこないのにものすごい存在感。
トーマが伝えたかったことを理解するのが難しかったけども
とてもきれいで切ないお話だった。
涙と鼻水がとまらなかった!
そして美少年がたくさんいすぎて気が変になりそうだった、あたしはオスカーがいいな。
漫画というより文学です。
えへへ・・・今回は題名の通りレビューになっていないレビューだったりして??
正直に言うとね、お世話になってるフォロワーさんとちょいと思い出を話してたらそういえばってこのレビューに(笑)
なので正直に言うとこの作品、私が子供の頃、父の海外赴任でオーストラリアに住んでた時に読んだけど内容をほとんど覚えていない・・・って、駄目じゃん(笑)
ではなぜこの作品を掲載したのかって事だけど・・・それは読んでからのお楽しみって事で(笑)
あはは・・・ここまで聞くと続きが知りたくなっちゃうよね??
だけど最初に断っておきますが、異端な話が嫌いな方は即、退場してねっ!
Allez-vous-en!
Allez-vous-en!
もう・・・大丈夫かな??
ここには破戒者しか残っていないよね??
では安心して・・・興味津々で瞳を輝かせ続ける異端の皆さん、心臓は大丈夫ですかぁ~??
では、いきますよぉ~!
【本文】
さあ、まずは記憶を探りながら『トーマの心臓』の概要を・・・って、思ったけど、読んだのが中1の頃だったのでほとんど覚えてないっ(笑)
この『トーマの心臓』って、1974年に『少女コミック』という少女向けコミック雑誌に掲載されてた、あの『11人いる!
』なども執筆された超有名な女流漫画家の萩尾望都さんの作品で・・・
前述したように内容は殆ど覚えていないけど・・・でも読んだ後のショックはいまだに忘れられないほど(笑)
覚えていないからって今更、買って読むのも恥ずかしいので・・・取り敢えず概要を再確認する為にWIKIから転記っ(笑)
”ある雪の日、シュロッターベッツ・ギムナジウムのアイドルだったトーマ・ヴェルナーが陸橋から転落死し、ギムナジウム中が騒然となる中、委員長であるユリスモール・バイハン(ユーリ)のもとにトーマからの遺書が届く。
事故死とされていたトーマの死が自殺であること、トーマが死を選んだ理由が自分自身にあることを知り、ユーリはショックを受ける。
数日後、ギムナジウムに亡くなったトーマとそっくりの転校生、エーリク・フリューリンクがやってくる。
エーリクを見るたびにユーリはトーマと重ねてしまい、怒りや憎しみをあらわにすることすらあるのだが、そこにエーリクの母の事故死の知らせが入り、悲しみにくれるエーリクをユーリは慰め、これを機会に2人は次第に心を通わせていく。
エーリクはユーリへの気持ちを深めていくが、心の傷を呼び覚まされたユーリは再びかたくなな態度を取るようになる。
しかし、ひたすらユーリを愛し信頼を得たいと願うエーリクの言葉から、ユーリは、トーマがユーリの罪を自ら引き受け、あがなおうとし、そのために自分の命を代償にしたのだと悟る。
そうしてユーリは、自分を取り巻く多くの愛と幸福、そして自分を見守っていた周囲の人々に気づく。
神はどんな人をも愛し、許していることを知ったユーリは、神父となるために神学校への転校を願い出、ギムナジウムを去る。
”
そうそう、こんな感じの話だった!
先入観なく読んでみると何だか普通の恋愛漫画っぽい雰囲気がするので問題は無いような気がしてくるけど・・・皆さんもそう感じたでしょ??
でもね・・・本作を実際に読んでみると、ありゃりゃ・・・恋愛してるのはどちらも男の子じゃんってびっくりしちゃうのですっ!
これって本気モードの男の子同士の同性愛漫画・・・現在のBLの先駆けと呼べる作品で・・・何故か会社の宅配サービスの段ボールに入っていた本作を読んだ妹が怪しくにやけながら、”ねえ、これ面白いから読んでみて”って一巻を貸してくれたのがきっかけで・・・
正直、最初は普通の恋愛ものかと・・・でも読み進めていくうちに、何かおかしいなぁ~~~~~~って、違和感がっ(笑)
思い込みって怖いもんだねぇ~!
名前も設定も全て男性であるのにも関わらず、妹に二巻目を借りるまで、同性愛って事に全く気付いてなかったかも(笑)
その時のショックって・・・それまで推理小説や歴史小説など、お堅い本しか読んだ事が無かった私にとって、まさに天地がひっくり返るほどの衝撃・・・って、想像つくでしょ??
恥ずかしすぎてしばらくの間、妹の目をまともに見る事が出来なかった・・・って、いやあ~、女の子は男よりも成長が早いっていうけど・・・ホント、怖いっ、怖いっ(笑)
暫くして妹に何故、読ませたのか聞いてみたら、あっけらかんと”お兄ちゃんの学校って男子校でしょ、だったらこんなこともあるんじゃないの?”って(笑)
”冗談でしょ”って、その時は笑い飛ばしたけど、気になって同級生たちの言動を観察してみると・・・ひぇぇぇぇぇ~~~、現実は漫画よりも奇なりで・・・実際にあっちゃったりして???
そんな”気がある男の子”に一番人気だったのは、卒業までずっと同じHRにいて親しかったスチュアートで・・・
彼って学校全体でも下から数えた方が早いほど、ずっと背が低く、いつまでも華奢(きゃしゃ)で女の子みたいな声質で・・・産毛など全く存在していない静脈のか細い蒼いラインが微かに浮き出た透き通った肌に、爽やかな蒼い宝石のようなつぶらな瞳、少しの風にもそよいでしまう綿のような細毛の金髪で・・・彼が微笑むだけでその気が無い人でも思わずドキッとときめいちゃうほどのキュートな男の子!
そんな彼が髪を伸ばせば、本物の女性の中でも断トツの美少女風の顔立ちをしてて・・・ブルーの瞳なので太陽光アレルギーを持ってて、いつも校舎壁際の日かげのベンチに、女の子のようにちょこんと座って広場で遊ぶ私達を静かに見てたかも!
そして二番人気は赤毛の・・・誰だっけ・・・名前を忘れちゃった(笑)
彼もスッゴク可愛くて、薄い赤毛なので健康的に日焼けした肌・・・って、言っても日本人とは比べ物にならないほどの透き通った白い肌・・・でもスチュアートとは違って腕や顔にそばかすが沢山あるけど・・・に緑の瞳・・・そうそう、芸能人のベッキーを子供にして華奢にした感じの明るい子で、彼も髪を伸ばせばスチュアートには負けるけど、それでも一般的な女の子よりもはるかに可愛らしい容姿をしてて・・・
そんな男の子たちがいれば・・・そりゃ、人気が出るよね・・・って、女人禁制の男子校だしっ??
そんな当時の私のハイスクールって”美少女にしか見えない男の子”達がかなりいて・・・道路を挟んでチョイ行ったところに女子校があるんだけど、そこの女の子たちが霞んで見えるほどレベルが高いって巷では評判だったほど・・・(笑)
そういえば一般的に、”女の子はお父さんに似て、男の子はお母さんに似る”ってよく言われてるよね??
実際、授業参観時の彼らお母さんが絶世の美女ばかりで・・・お姉さんじゃなくてホントにママなの?って訊いちゃうくらいの美少女って感じ!
なので、あれって真実だって確信できるよねっ!
そんな可愛い男の子達の周りにはひっきりなしに”その気がある男の子”が集まってて・・・驚くべきことにスチュアート以外、みんな男子と付き合っているのがおぼろげに判明・・・って、性に大らかすぎるでしょ・・・的な(爆笑)
でも一番人気のスチュアートだけは結局、どんなに言い寄られても卒業まで誰とも付き合わず、結局、親しい友人は私だけ??
うわぁぁぁ~~、当時は何とも思わなかったけど、今から思えばスチュアートって・・・いやいやいやいやいや・・・ノーマルだっただけでしょ・・・多分??
でも、向こうの学校ってメンバーが固定されたクラスってHR(ホームルーム)しか無くて、授業は全て選択式なんだけど、英語以外全ての科目が同じだったような??
そういえば私が『CADET(豪州軍の士官候補生)』をクラブ活動で選んだ際も、アレルギーを持ってる彼は入部を許可されず、それでも教官にゴネて、みんなの前で泣きだしちゃったことがあったっけ??
それからしばらくして私は10年生の時に向かいの女子校の子と付き合ったんだけど・・・しばらくの間、スッゴクそっけなかったような??
ありゃりゃ・・・勿体ない事したかな~、って、無い、無い、無い、無いっ・・・ホントにノーマルなので誤解しないでね・・・って、地球上に存在しない会話をしてるよねっ(笑)
もしかしたらスチュアートって私のブサイクな顔が好みだったかもしれないし・・・って、あはは・・・悲しくなるからこれくらいにしとこっと(笑)
それで学校内で付き合ってる人たちだけど、その行動はかなり大胆で・・・校舎に囲まれた広場の端に図書館、兼、礼拝堂があるんだけど、空いた授業の合間にそこに入り浸っては・・・とか、テニスコートの裏の土手でとか・・・いや、何をやってるかは知らないよ、興味もなかったし・・・でも、今から思えば・・・的な??
そういえば面白い事があって、オーストラリアって猛毒を持った動物が多くて・・・そんなある昼休み、”蛇だ~”って、土手から必死に駆け上がってくる三人を見て思わず口があんぐり・・・全員がズボンを履いてなかった・・・って、こわぁぁぁぁぁぁぁ~~(笑)
そんなハプニングがあったけど当時、地域では最高レベルの学校で・・・いやぁ~、文化の違いって怖いですなぁ~(笑)
まあ、そんな感じで思い出話だけしかしてないけど・・・『トーマの心臓』って、画がスッゴク綺麗で・・・こうやって思い出を掘り返す為にネットで出てくる絵を見てると、ノーマルな私でもそうなっちゃうよなぁ~って、妙に納得しちゃったりして(笑)
でも、彼女がいる男性にはきついよぉ~!
だって作品の男の子たちが可愛いすぎるっ!
なので同じ男性として自信喪失・・・的になっちゃったり??
あはは・・・でもまあ、良いんです!
限りある人生、その瞬間にしかできないことが山のようにあるので、その瞬間を思いっきり自分の好きなように生きれば良いんです!
かと言って・・・相手を傷つけるようなことは絶対にNGだけどね!
男女ともに本作のような傾向が強まれば、少子化対策には絶対にならないけど・・・でも、幸せならそれもハッピーって事で(笑)
一応、言っときますけど・・・本作に興味が出たからって頭が固い人や純粋な方は読まない方が良いよ??
忠告を聞かないで暴走した挙句、ショックで暫く立ち直れなくなっちゃってもしらないからね!
彼女には絶対に読ませたくない・・・むうでした!
トーマのか与えた愛、エーリクの愛、オスカーの愛、そして神への愛。
愛、というのは永遠のテーマであり語り尽くされることも描き尽くされることもなく、完全なる定義はきっとあたえられない。
でも、『トーマの心臓』は、愛というものに1つの輪郭と答えを与えている。
それは完全ではなく、あくまで1つの輪郭に過ぎないのだけど。